夢花火
二人並んで、無言で掘り始める。
「……」
「……」
掘っていると、何か硬い物が手に当たった。
「何だ?これ…」
思わず呟くと、男は私の方をちらっと見る。
「さぁな。あとちょっとだ」
そして、さらに深く掘り進めていく。
やっと、それが取れる深さまで掘る事が出来た。
「これ…。ビン…?」
「そうみたいだな…。中に紙が入ってる」
男がビンの蓋を開けようとする。
「ちょっと硬いな」
男は、ビンを近くの石に投げつけた。
パリンっと、ビンが割れる音がする。