【珍獣使い】の憂鬱
俺は真剣でした。

それはもう不治の病かもしれないとすら思っていましたから。


だけどジンちゃんは、俺の症状を聞いて、ほんの少しだけ寂しそうな顔をしたあと、にっこり笑って言いました。

「ナツさん、それはねえ…
恋の病っていうんですよ。
ナツさん、好きな人が出来たんですか?」


…こい?

こいって、鯉じゃなくて、恋?

そんなバカなことを思いました。


「ちょっと寂しいですけど、ぼく応援しますよ」
< 141 / 145 >

この作品をシェア

pagetop