君にすべてを捧げよう
「てか、相変わらず旅館みたいな部屋だよね、ここ。最初はびっくりしたよ」

「母がインテリアに凝るんですよね。でも、余り和風は好きじゃないらしくて、これも満足してないようです」

「へえ。でも、いいセンスだよ。これとか」


中に入ってきた鏑木さんは、枕元を照らしている行燈ランプを覗き込んだ。


「これ、和紙が貼られてるんだね。焦げたりしないのかなー」

「長く使ってますけど、大丈夫みたいですよ」

「へえ」


障子に張り付いているのもおかしい気がして、鏑木さんの近くまで寄った。
と、いきなり腕を掴まれた。


「おいで」


引き寄せられて、そのまま鏑木さんの膝の上に横向きに座らされる。
慣れない場所に心臓が高鳴る。


「あ、あの! あたしも、その、お風呂をですね」

「いいから」


す、と髪を掻き上げられ、引き寄せられた。
そのまま、唇を重ねる。

髪に触れていた手が離れ、服の裾に触れた。
入り込む熱い手の平が、太腿を撫であげる。


「ん……っ」


感触を楽しむように往復する手の平。


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