君にすべてを捧げよう
「な、なに?」

「いや……」


珍しく、言い躊躇っている。


「なんか、いろいろ考えちゃって」

「はあ?」


意味が分からない。なんだろう?


「ねえ、めぐる」

「ん?」

「誕生日、プレゼントさ」


ああ、さっきの話か、と思う。
思わずくすりと笑った。


「なあに? プレゼントなんて別にいらないよ、あたし。心配しなくっても高価な物ねだったりしないって」


あたしがブランドバッグや時計を欲しがるとでも思うの?
そんなのに興味ないことくらい知ってるだろうに。


「あ、でもどうしてもって言うなら、赤川さんがこの間持ってきていたセニングは欲しいかも。って、鋏のほうが高い……」

「エンゲージでいい?」

「は?」


意味が分からず、問い返した。
見れば、智が真剣な顔であたしを見ていた。


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