君にすべてを捧げよう
こんなに、誰かに求められたことなんて、ない。
あたしでも、誰かに望まれる。


じわりと、涙が滲んだ。
それは瞬く間に溢れ、頬に川を作る。

しゃくり上げたあたしの頭を、智が撫でた。


「返事、くれないかな?」

「……あ、あたしで、いいの……?」

「めぐるがいい。ねえ、返事してよ」


きゅう、と腕に力がこもる。
温かさに包まれる。


「お、おねがい、します……」


嗚咽の合間に答えると、智が驚くくらい大きなため息をついた。


「へ? ど、どうかしたの?」

「なんかすっごく、緊張した……」


腕の中で、目を合わせると、智が困ったように笑っていた。


「智でも緊張したりするの?」

「するでしょ。初めてのことだし」

「KBR48の王子が?」

「ちょっと、それは関係ないかな、めぐるちゃん」


あはは、と笑って、智はあたしを抱きしめ直した。


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