君にすべてを捧げよう
「うーん、これは応急処置もできそうにないなー。このまま修理工場行きにするしかないね」
「え。あ、あの、治りますか!?」
就職時に中古で買ったあたしの愛車は、けっこう古い。
至る所にガタがきているな、とは思っていたけど、来年の車検まではどうにか乗りたかったのにー。
というより、今車を買い替える余裕は、ない。
先月、友達と旅行に行って散財してきたばかりなのだ。
慌てたあたしに、鏑木さんはのんびりと言った。
「部品交換すれば大丈夫じゃないかな。で、ハイネ、修理工場とかの知り合いは?」
「いません」
「そっか。じゃあオーナーの知り合いに工場持ってる社長さんがいたはずだから、連絡してもらおうか」
鏑木さんはばたんとボンネットを閉めて、ケータイを取り出した。
数コールで繋がった声は、遠くからでもオーナーのものだと分かった。
「お疲れ様です、鏑木です。あのですねー……」
鏑木さんはあっという間に話をまとめ、あたしの車は明日、修理工場の人が回収にきてくれることになった。
「え。あ、あの、治りますか!?」
就職時に中古で買ったあたしの愛車は、けっこう古い。
至る所にガタがきているな、とは思っていたけど、来年の車検まではどうにか乗りたかったのにー。
というより、今車を買い替える余裕は、ない。
先月、友達と旅行に行って散財してきたばかりなのだ。
慌てたあたしに、鏑木さんはのんびりと言った。
「部品交換すれば大丈夫じゃないかな。で、ハイネ、修理工場とかの知り合いは?」
「いません」
「そっか。じゃあオーナーの知り合いに工場持ってる社長さんがいたはずだから、連絡してもらおうか」
鏑木さんはばたんとボンネットを閉めて、ケータイを取り出した。
数コールで繋がった声は、遠くからでもオーナーのものだと分かった。
「お疲れ様です、鏑木です。あのですねー……」
鏑木さんはあっという間に話をまとめ、あたしの車は明日、修理工場の人が回収にきてくれることになった。