君にすべてを捧げよう
いそいそとタオル干しを再開していると、蓮を見送って外に出ていた鏑木さんが戻ってきた。
壁にもたれ、タバコに火をつける。
「坂城さんって、魅力的な人だねー」
「ふふ、そうですか?」
ぱん、とタオルを鳴らして、シワを伸ばす。
「話は面白いし、あと、かっこいい。渋いよね、ヒゲの似合う男って」
「あはは、普段は伸びっぱなしのぼさぼさですけどね」
「髪とヒゲに覆われて最初はよくわかんなかったけど、顔見てびっくりした。
あんなにいい顔してるんだから、前面に出せばいいのにね」
「本人にそう言ってやってください」
蓮は結構見た目のよい顔立ちをしている。
鏑木さんのような整った美しさではないが、妙な色気のある粗削りな顔だ。
「ハイネ、あんな人と二人で生活してるんだー」
「生活って言っても、長くて半月くらいですよ。書き終えたら自分のマンションに帰っちゃいますから」
「えー、半月って長いよ。ふうん、半月もあの家に二人きりかー」
「なんだか含みのある言い方ですね、鏑木さん」
視線をやると、鏑木さんはあたしの方を見てにやりと笑った。
「含んでるよ?」
壁にもたれ、タバコに火をつける。
「坂城さんって、魅力的な人だねー」
「ふふ、そうですか?」
ぱん、とタオルを鳴らして、シワを伸ばす。
「話は面白いし、あと、かっこいい。渋いよね、ヒゲの似合う男って」
「あはは、普段は伸びっぱなしのぼさぼさですけどね」
「髪とヒゲに覆われて最初はよくわかんなかったけど、顔見てびっくりした。
あんなにいい顔してるんだから、前面に出せばいいのにね」
「本人にそう言ってやってください」
蓮は結構見た目のよい顔立ちをしている。
鏑木さんのような整った美しさではないが、妙な色気のある粗削りな顔だ。
「ハイネ、あんな人と二人で生活してるんだー」
「生活って言っても、長くて半月くらいですよ。書き終えたら自分のマンションに帰っちゃいますから」
「えー、半月って長いよ。ふうん、半月もあの家に二人きりかー」
「なんだか含みのある言い方ですね、鏑木さん」
視線をやると、鏑木さんはあたしの方を見てにやりと笑った。
「含んでるよ?」