君にすべてを捧げよう
いります? とポケットに入れていた酢昆布の箱を差し出すと、鏑木さんはますます面白そうに笑い出した。
「い、いやいらない。けど、どうしてまた昆布……」
「おかしいですか? カロリーないし、けっこう美味しいですよ」
笑いのツボに入ったらしい鏑木さんを、首を傾げて見た。
なかなかいいかも、とか思ってるんだけど。
「や、おかしくはないんだけど、でもおかしいっていうか。あ、ちょっとごめんね」
あたしの後ろにおいてあった灰皿に手を伸ばす。
近づいてきた胸元にぽすんと顔がぶつかった。
「わ」
「あ、ごめんごめん」
慌てて体を離す鏑木さん。
その拍子にふわりと柑橘系の香りがした。
「いえ、大丈夫です。ってか鏑木さん、いい香りですねー」
「そう? ありがと。ハイネも酢昆布のいい匂いがしたよ」
「マジすか。出汁でてるんですかね」
「酸っぱそうな出汁だけどね」
「つーか、臭いってことですか!」
くすりと笑って紫煙をゆっくり吐き出す鏑木さんに、頬を膨らませた。
「い、いやいらない。けど、どうしてまた昆布……」
「おかしいですか? カロリーないし、けっこう美味しいですよ」
笑いのツボに入ったらしい鏑木さんを、首を傾げて見た。
なかなかいいかも、とか思ってるんだけど。
「や、おかしくはないんだけど、でもおかしいっていうか。あ、ちょっとごめんね」
あたしの後ろにおいてあった灰皿に手を伸ばす。
近づいてきた胸元にぽすんと顔がぶつかった。
「わ」
「あ、ごめんごめん」
慌てて体を離す鏑木さん。
その拍子にふわりと柑橘系の香りがした。
「いえ、大丈夫です。ってか鏑木さん、いい香りですねー」
「そう? ありがと。ハイネも酢昆布のいい匂いがしたよ」
「マジすか。出汁でてるんですかね」
「酸っぱそうな出汁だけどね」
「つーか、臭いってことですか!」
くすりと笑って紫煙をゆっくり吐き出す鏑木さんに、頬を膨らませた。