君にすべてを捧げよう
蓮の手が、シャツを捲り上げる。
露わになった肌に、ひやりとした空気が触れた。


いっそ、このまま。体に籠めていた力を、抜いた。

蓮が望んでくれるのなら、いいと思った。

なのに。


あたしが力を抜いたと分かった途端、蓮は手を止めた。
すいと手を抜き、体を離した。


「蓮……?」


腰の辺りに座り込んだ蓮を目で追う。
蓮は額に手を当て、大きくため息をついた。


「蓮?」

「すまん、ふざけすぎた」

「ふざけ……? ふざけてこんなことするの!?」

「悪酔いしたんだ。すまん」


あたしの視線から逃げるように、蓮は背中を向けた。
体を起こし、蓮の背中に拳を降ろす。


「すまん、って。ふざけて、って。意味わかんないよ! どうしてよ、蓮!」

「だから、悪酔いだ。もう寝るから、母屋に戻れ」


蓮は振り返ろうとはしてくれなかった。
再びどん、と背中を叩いて、そこに縋る。


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