瞬きさえも忘れていた。
岩本さんは再び身体を重ね、そして――

私の芯部を熱いものが埋めた。



叫びに近い悦びの声が、思わず漏れでる。すごく恥ずかしくて、でも、もっと欲しくて。


目の前で上下に揺れる、筋肉質だけどもスラリとした細身の身体に、ぎゅうとしがみ付いた。



満たされているのに空っぽで。潤っているのに乾いていて。

止め処なく迫り上げてくる欲情に、気が狂いそう。




「もう無理、これ以上動いたら……」

微かに眉根を寄せて、岩本さんが苦しそうにこぼした。



普段は堂々としていて冷静沈着で、涼しげな余裕を誇示するように見せている彼の、自信なさげなその表情が愛しくて。



「うん……一緒に……」

求めるように促した。



岩本さんは私の中を扇情的に掻き乱し、そして荒ぶる激情の中、共に果てた。



ことの終わりは呆気なくて、もの悲しい。けれど、それ以上の幸福感に、私の心は満たされていた。


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