瞬きさえも忘れていた。


「やばっ、寝てた」

バサッと隣の空気が震え、私も重い瞼を押し上げた。



ゆるゆると起き上がれば、隣に居たはずの人はもう、開けっ放しの襖の向こうで、Tシャツの袖に腕を通し、それを頭から被っている。



夢じゃ、なかった……。



まだとても信じられないけど、でも、多分、


私は岩本さんに抱かれた。



そんなことを思いながらぼんやり眺めていたら、

「何やってんの? お前も早く、服着ろって」

苛立たしげに言われた。



ぶうと膨れて、ジーンズに足を突っ込む岩本さんを睨みつけていると、

「自分で着れないの? 俺が着せる? 脱がしたの、俺だし」

意地悪なことを言って、フッと優しく目を細める。



「いいです。自分で着れます」

ムッとしたまま返して、傍に転がっている下着に手を伸ばした。


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