星の輝く夜空の下で


窓の外で二人の後ろ姿を朱子と星夜が見ていた


「もう、用なしかな…」


朱子が悲しい顔をした


「何で…」

「夏芽は生きてる人間だからちゃんと生きてる人と喋るべきって思ってたんだ。ずっと」

「…」

「幽霊が見えるせいで今まで辛い思いをしてきたんだからこれからはあんな風に笑える時間が増えて欲しい」

「…」

「実はさ、夏芽が笑った所見たの今ので三回目なんだよね」

「え」

「しかも、全部人間と話すとき。こないだ、夏芽が春実ちゃん見て笑った時やっぱりあたしじゃ本当の幸せを夏芽に感じさせてあげられないんだなって思った」

「そんな…」

「電話してる振りしなきゃいけないしね」

「…」

「星夜くんも突然夏芽の前から消えちゃうかもしれないんだからあんまり仲良くしちゃダメだよ。また夏芽の傷になっちゃうからね」


朱子はすーっとどこかへ消えた


星夜はしばらく窓の外から離れられなかった


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