星の輝く夜空の下で
「えぇ!?彼女!?」
思わず大きな声を上げた春実はカフェにいた周りの人からの視線を感じた
今度は小声で聞いた
「星夜くんに?…幽霊の?」
夏芽は頷いた
「こないだ女の人と腕を組んで歩いてたのを見たの」
「どんな人?」
「長い真っ直ぐな黒髪の白い服を着た女の人」
夏芽は憧れの目で語った
「ごめん、夏芽。すごいキラキラ語ってるけど、今の言葉だけだと貞子にしか聞こえないから」
「あ、そっか。白いノースリーブのワンピース来ててモデルさんみたいに細くて白くて美人なの」
「へぇ…、で?」
「で?…それだけだけど…?」
「え!?もっとなんか並んで歩いてるの見たらモヤモヤしたとかないの?」
夏芽は怪訝な顔をした
「何でモヤモヤしなきゃいけないの?」
「え…」
夏芽は星夜になんの気持ちも抱いてないことに落ち込む春実だった
「何で落ち込むの」
「もしさ、辻本がさキレイな女の人と歩いてたらどう思う?」
「美人な友達がいるんだなって思う」
「じゃあさ、手を繋いだり、腕組んで歩いてたら?」
「そりゃ、ムッとするよ」
春実は深い溜め息をついた
「そんなの当たり前じゃん。何であたしは幽霊と人間の恋のキューピッドになろうとしてんのよ…」
「何それ」
「ごめん、こっちの話」
夏芽は首を傾げたが気にしなかった