星の輝く夜空の下で


「記憶のない幽霊に会ったことありませんか?」

「ううん、ない。君が初めてだよ」

「そうですか…。知ってたら色々教えて貰おうと思ったんですが。ありがとうございました」

「いいえ。早く記憶が戻るといいね」

「はい」


星夜は夏休みの間自分の記憶を戻そうとすれ違う幽霊たちに聞き込みをしていた


記憶のない幽霊はまれにしかいないらしくなかなか情報を得られずにいた


星夜は落ち込み木の枝で休んだ


「ダメだ。全然情報が集まらない。突然消えるしか分かってることがないなんて…」


そこに一人の髪の長い大人の女性が下から声をかけてきた


「君が記憶のない幽霊について知りたがってる人?」

「え、あ、はい」

「私、知ってることひとつだけあるよ」

「本当ですか?教えてください」

「ただじゃ教えてあげられないよ」

「え…」


女性の体はふわっと浮かんで星夜に近づいた


「ゆ…」


女性は星夜の唇を人差し指で優しく触れた


「生きてると思った?私は地上(ココ)に意味もなくいる幽霊なの。記憶のない幽霊について教えてあげるから私のお願いも聞いてほしいの」


星夜は女性の手を振りはらった


「条件によっては教えてくれなくてもいいから」

「そ?でも私、条件飲んでくれる自信あるよ」

「…」

「私のお願いは…」


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