星の輝く夜空の下で
「あの二人は幽霊が見える」
カフェの中を遠くから黒髪の女性と星夜が見ていた
「へぇ、あの二人が。髪が茶髪のふわふわした子可愛いねぇ」
「学校一可愛いからね」
「そうなんだ!!あの髪の長い子は?」
「あいつは無愛想で冷たくて優しさの欠片もない女だよ」
「へ、へぇ」
「あいつ普段笑わないからたまに笑うと、次の日天気悪くなるんだ。笑うなって思うんだけど…」
「…」
遠く、きっと夏芽の方を見つめながら零れた言葉
「笑うと、嬉しいんだ」
優しく笑う星夜を見て女性は星夜が夏芽を好きなんだと分かった
まだ星夜が夏芽を好きだと自覚していないことも
まだ後ろ姿しか見えない夏芽が気になった
「あの子達に近づかない?」
「ううん、夏休み終わるまで幽霊のこと忘れさせてあげたい。夏休みが終わったらあいつらのこと紹介してあげる。記憶のない幽霊についてもその時教えて」
条件とは幽霊が見える人間に会わせて欲しいとのことだった
「やだ、今会いたい」
星夜は会いに行こうとする女性の腕を掴んだ
「約束破ったらこの話は無しだ」
「…分かった、ひとつ聞いていい?」
「はい」
「名前、教えて」
「…そー言えば自己紹介まだでしたね。すいません、星夜です」
「いいよ、いいよ。ほしやくんね。あたしは鈴風(スズカゼ)。よろしくね」
「はい」