あの空の音を、君に。



「流星がいなくなった穴を、伊月くんで埋めてるだけでしょ?」

「そんなんじゃないっ」



そんなわけないじゃない。


伊月は、流星のかわりなんかじゃない。

今の私に必要な、大切な存在。



「だって、そうでしょ? 涼はいつもそう。結局は1人になりたくないだけ。私とケンカした直後はあんなに暗い顔してたのに、今は青木さんたちと一緒に笑ってる。涼は弱いよ」



里麻の言葉に、少し胸がズキッとした。


否定したいけど、はっきりとできる自信がない。


1人になりたくないことは事実。

私は弱いんだろうか。

自分の中の自分に問いかける。


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