あの空の音を、君に。
「流星は。私のこと、裏切った」
あの日、流星がいなくなった日。
私がどれだけ絶望に陥ったか。
里麻は知らない。
初めての彼氏に夢中だった里麻は知らない。
「流星が涼のこと裏切った? 何言ってんの?」
「ずっと一緒にいるって言ったのに。一緒に卒業するって言ったのに。消えたんだもん」
小さい頃からずっと一緒で、いわゆる『おさななじみ』な関係だった私たちは、中学にあがってからも仲がいいほうだった。
小さい頃約束した「ずっと一緒にいる」も、中学になってから約束した「一緒に卒業する」も、全部、鮮明に覚えている。
なのに、あいつは私の前から姿を消したんだ。