禍津姫戦記
「もう離しはしない……どこへも行かぬと誓っておくれ。わたくしの可愛い子……」

「母上……」

 姫夜はそのやわらかな胸を押し返すことができず、抱かれたまま茫然としていた。
 白香姫は赤子を抱くようになんども頬ずりし、ひたいに、頬に、朱いくちびるをすりつけて懇願した。
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