禍津姫戦記
ハバキは焦って闇雲に手足をこすった。
――酒ヲ。
それはあの蛇神の声だった。
ハバキははっとして、そなえてあった酒の壺をひっつかむと、姫夜を抱き起こした。壺をくちびるにあてがったが、酒はむなしくこぼれた。
業を煮やしたハバキは、とうとう唇をかさね、酒をのませた。
――酒ヲ。
それはあの蛇神の声だった。
ハバキははっとして、そなえてあった酒の壺をひっつかむと、姫夜を抱き起こした。壺をくちびるにあてがったが、酒はむなしくこぼれた。
業を煮やしたハバキは、とうとう唇をかさね、酒をのませた。