禍津姫戦記
 びくり、と姫夜の体が震えた。
 姫夜はヒュッと音を立てて息を吸い込み、それから激しく咳き込んだ。

「ああ……わたしはまだ……生きているのか?」

 ハバキのこめかみに血の管が浮き上がった。怒鳴りたいのを必死に堪えるように体はぶるぶると震えている。
< 335 / 647 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop