禍津姫戦記
ハバキは低く、云った。
「なぜカンナギであるおまえが呪(しゅ)にかかった」
長い沈黙ののちに、姫夜はこたえた。
「あれは妖しだったが……母でもあった。モモソヒメが、母の死霊を蜘蛛の妖しに封じ込めたのだ」
「なぜカンナギであるおまえが呪(しゅ)にかかった」
長い沈黙ののちに、姫夜はこたえた。
「あれは妖しだったが……母でもあった。モモソヒメが、母の死霊を蜘蛛の妖しに封じ込めたのだ」