禍津姫戦記
 控えめに見ても五十人の胃袋を満たしそうな数の芋を、かごに山盛りにして、女が飛び出してきた。よけるまもなく入り口にいた姫夜にぶつかり、派手な音を立てて泥だらけの芋が床に散らばった。

「まあっ、カンナギさま、これはとんだ粗相を……どうか、おゆるしを……」

 アゲハは真っ青になり平謝りにあやまった。
< 357 / 647 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop