禍津姫戦記
 あたりはうす青い闇に包まれていた。

「そのなりでは早駆けはできぬ。うすものも、上に重ねている長い衣も脱いでしまえ」

 ハバキは馬の鼻面を叩いてやり、手早くおのれの手で鞍を付けた。姫夜が長い衣をとって、うわぎと袴だけの童子のような恰好になると、ハバキはそれを鞍につけた麻袋に押し込んだ。姫夜を軽々と鞍に乗せ、自分も後ろにまたがった。
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