溺愛MOON
感じ悪ーい。


街頭のティッシュ配りじゃないんだからそんなに迷惑そうな顔しなくてもいいのに。

後から来た気の弱そうな男性が私に向かってペコリと頭を下げた。


そのまま2人は島の地図が貼ってある掲示板を眺めている。

掲示板の前で何やら話した後、女性が私へと向き直った。


「タクシー呼んでちょうだい」

「は!?」


私はビックリして聞き返してしまった。


1時間もすれば歩いて1周できるこの島にタクシーなんてあるはずがない。

それぐらい分からないのだろうか。


「タクシーはないんですよ。どこかにお泊りですか」


奥に居たおっさんがのそのそと窓口まで出てきてくれた。

いけない、私は案内係失格だ。
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