ソラナミダ
しわくちゃになったTシャツに、デニム。それに…黒ブチ眼鏡。
なんていう色気ない格好…。
おそらく、寝癖もついて更に女度は低くなっていることだろう…。
「…ま、今更いっか。」
手ぐしで髪を少し整えると、ゆっくりと玄関の扉を開いた。
「………。」
そこにいたのは…
見覚えある男の人だった。
帽子をとり少しペチャンコになった栗色の髪…。
「『ネックレス』、ありがとうございます。」
私が出るなり彼は深々と頭を下げた。
「いえ、私は拾っただけですから…。それより、返すのが遅くなってしまってすみません。」
「…いえ。ありがとうございます。」
なおも頭を下げつづけるハルミさん。
「…あの…。アタマ、上げてください。」
私の言葉に、ちょっぴり困ったかのような瞳で、真っすぐに私を見た。
「大切な物なんです。」
彼は、愛おしそうに、手に持つ指輪を握りしめた。
「なら…渡せてよかったです。」
「「………。」」
彼の視線と、私の視線が重なった。
ようやく安堵の表情を浮かべ、クスッと笑うハルミさん。
「……?」
「…平瀬さんて、もしかして俺と同じ年くらい…?」
「…ハルミさんは何歳なんですか?」
「俺は、25です。」
「…あ。同い年!」
「ホントに?今朝会った時、似たような歳かなって思ったけど…。」
「…今朝?」
「うん、エントランスで。日頃ここで挨拶されることってないから…。」
「ああ…、あの時…。急いでましたよね?」
「うん、まあ…。…けど、まさか隣りの人だとは思わなかった。俺、挨拶にも行かなかったし…。」
「私も、まさかこんな若い人が隣に住るなんて知りませんでした。」
「…いや、同い年だし。…敬語なんて、いいよ。何より…恩人だし。」
「…恩人!?そんな大袈裟な!」
「いや、真面目に。これなかったら俺、立ち直れなかった。」
なんていう色気ない格好…。
おそらく、寝癖もついて更に女度は低くなっていることだろう…。
「…ま、今更いっか。」
手ぐしで髪を少し整えると、ゆっくりと玄関の扉を開いた。
「………。」
そこにいたのは…
見覚えある男の人だった。
帽子をとり少しペチャンコになった栗色の髪…。
「『ネックレス』、ありがとうございます。」
私が出るなり彼は深々と頭を下げた。
「いえ、私は拾っただけですから…。それより、返すのが遅くなってしまってすみません。」
「…いえ。ありがとうございます。」
なおも頭を下げつづけるハルミさん。
「…あの…。アタマ、上げてください。」
私の言葉に、ちょっぴり困ったかのような瞳で、真っすぐに私を見た。
「大切な物なんです。」
彼は、愛おしそうに、手に持つ指輪を握りしめた。
「なら…渡せてよかったです。」
「「………。」」
彼の視線と、私の視線が重なった。
ようやく安堵の表情を浮かべ、クスッと笑うハルミさん。
「……?」
「…平瀬さんて、もしかして俺と同じ年くらい…?」
「…ハルミさんは何歳なんですか?」
「俺は、25です。」
「…あ。同い年!」
「ホントに?今朝会った時、似たような歳かなって思ったけど…。」
「…今朝?」
「うん、エントランスで。日頃ここで挨拶されることってないから…。」
「ああ…、あの時…。急いでましたよね?」
「うん、まあ…。…けど、まさか隣りの人だとは思わなかった。俺、挨拶にも行かなかったし…。」
「私も、まさかこんな若い人が隣に住るなんて知りませんでした。」
「…いや、同い年だし。…敬語なんて、いいよ。何より…恩人だし。」
「…恩人!?そんな大袈裟な!」
「いや、真面目に。これなかったら俺、立ち直れなかった。」