ソラナミダ
「…そういえば…、そうなるね。」



「…マズイっしょ、ソレ。」


「…え。」


「久住さんからしたら、愛されてないのかと思うんじゃん?」


「………。」


「たまにはアピールしないと!」


「…でも、多分木村さんが言う通りで…自重してるのかもしれない。そしたらさ、邪魔なんてできないじゃん?」


「邪魔な訳あるか!」


立ち上がった美帆の手元から………


茶色いものが滴り落ちる。


「……げっ。」


見事、シャツにチョコが付着。


「ああ…、買ったばかりなのに…。」


「…仕方ないなあ。…はい、おしぼり。」


「…。ありがと。」





「待ってるんじゃないの?久住さん。アンタが自分を必要としてくれるのを。」



「………。」


「…どう見ても、恋煩いだもんあの様子じゃ。」


「……ははっ…どうだろ。」



「…なのにアンタはのうのうと他の男と…。」



「……待って。誤解されるようなことは何にもないから?晴海くんは博信の存在知ってるし、それに彼女もいる。」


「……そりゃあ、そうかもだけどさ。でもそれなら尚更おかしいじゃん、アンタ達。もう一度聞くけど…、二人で何してるの?」


「…なにって……。DVD見たり、コーヒー飲んだり、ラーメン食べに行ったり…?あ。この前は腕痩せのマッサージ教えてもらった。」


「…それだけ?」


「……?それだけ。」


「…身体の関係は?」


「…一歳ありません。てか、手出し無用ってお互い思ってるし。」


「…随分楽しそうに話すんだね。」


「…えッ…。そう?」


「…じゃあ久住さんとは?会って何するの?」


「博信とは…、外食したり、あとは…………あの、ご想像にお任せします。」







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