ソラナミダ
博信が……
私の異変に気づかない訳がなかった。
今、彼の瞳に映る私は……
酷く狼狽しているように見えるのだろうか。
それとも、ただの裏切り者として捉えているのだろうか。
視線を逸らすことを…許さない。
仕事でも、私生活でも、何でも熟すこの人が…
自分の足元を見る時…、
それは自分が培ってきたものを、プライドを…見失なった時。
小さな石ころのような、どこにでもいるこんな私のせいで…躓いているなんて。
それでも、
何かを訴えかけてくる瞳は…
私を、試そうとしているのだろうか。
彼は、彼によく似合う爽やかなブルーの入ったネクタイを…少し緩めて、
「……迷ってるんだ。」
…ポツリと……
呟く。
「え…?」
「ここを、この会社を…辞めようかどうか。」