〔完〕 うち、なでしこになるんだから
 相手がボールを持ってスローイン。

 スローインはボールを蹴ってはいけない。投げる際に両足がきちんと地面についていないといけない。

 なのに、片足が少し浮いてる状態で投げた。

「ファール!」

 南良能が叫んでも、主審・副審は気づいてくれない。

 さっきの二倍嫌な顔する。


「ミラノさん!」

 珠理が思わず叫んでも、もう遅かった。

 一瞬のすきを突かれた。

 ボールを受け取った相手が、南良能の後ろへ、南良能がマークしている十番にパス出す。
 ちょうど九番の選手が、あかりのマークを振り切った。
 十番の選手は九番の選手へパス。九番の選手はしっかり受け取って、そのままシュート。

 ・・・・・・・・。

 ボールは珠理の手にあった。

 珠理は今のシュートをとれたことに対して驚いてる。

「ありがとう。」

 あかりが珠理の体を起こす。

 カエル足であおむけに倒れていたみたい。

「頭大丈夫か。ごめんよ。」

 南良能が寄ってくる。



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