〔完〕 うち、なでしこになるんだから
 今諦めたら、今までの努力は水の泡。

 小学生の時、

『女の子がゴールキーパーして。』

 っと嫌なことを言われた。

 自分の思うように、仲間が動いてくれなかった。
 時には、絶対に仲間が守っていればよかったのに、全然守らなかったせいで得点入れられた時には、全部珠理の責任にしようとした。

 悔しくて、つらくて、苦しくて・・・。
 でも、負けずに頑張った。
 そのせいで、今では男の子とサッカーするのが嫌になったが。


 城崎ドルフィンガールズに入って、一学年上がゴールキーパーできる人がいなくて、いきなり正ゴールキーパーに抜擢された。

 一学年上を指図するなんて、怖かった。

『遠慮しなくていいよ。』

 っと言われても、怖いものは怖い。

 一学年上が少なくても、その人たちだけには何も言えなかった。

 それでも、指図できるように努力してきた。


 思い出の泡が出ては壊れてく。

 “夢を諦める”っと言う悪魔が壊してく。

 頭の中が崩壊していく。

 これも、悪魔のせい。

 壊れてく、壊れて・・・。


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