〔完〕 うち、なでしこになるんだから
 源希にとってはこの道に進みたくなかった。
 納得しない道をこれから進む。

 不合格という事実でショックを受けていた。
 さらに何が原因でこうなったのか分からないから、過剰にイライラしてた。

 それに、源希の父親に怒られた。

 源希の父親は、Jリーグに所属するチームの元選手。日本代表には一度もなることなく、選手生活から引退してた。

 自分が叶わなかった“日本代表になる”という夢を息子に叶えさせようと、厳しく育ててた。

 将は、娘と息子に強制的になりなさいっとは言ってない。
 珠理と剛溜がたまたま、

『日本代表になりたい。』

 っと言っているから、その手伝いをするとは違って。


 不合格の衝撃、自分の望んだ道ではない道を進むこと、父親の怒り。

 三重の苦しみを背負って、源希はこの時期を過ごしてた。




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