〔完〕 うち、なでしこになるんだから
 そして、いよいよ決勝トーナメント一回戦。
 勝てば準々決勝に進む。

 その前日に剛溜が、試験を受けたところから帰ってきた。

 疲れた様子だった。

 合格の手応えあるかっと聞いても、

『分からない。』

 と答えるだけ。剛溜にしては、よほど疲れているのか、口数がいつもより少なかった。

 そして、その夜、いつもより早く寝て、ぐっすり眠ってた。

 その様子を見て、珠理も早く寝た。
 
 


 おかげさまで、会場へ行くために朝早く起きなくてはいけなかったが、寝不足感はなく、むしろしっかり眠れた感はある。

 そんな調子だから、何かいいことないかなっと思う。
 試合に勝てるような気がする。

 この調子で、勝って、勝って、勝ちまくって、全国優勝。全国制覇だ。

 そんなことを思ってたら、顔がにやけてきた。

 あと二時間後、正午から始まる試合が待ち遠しくなってきた。
 



 

 
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