〔完〕 うち、なでしこになるんだから
 珠理は四試合中三試合に出た。

 そのうちの一試合負けたのことを、残念に思っている。

 でも、敗戦を力に変えられるっと信じている。


 一回視界を広げたら、誓子の姿が見えた。
 また、変な祈りをしている。

 その姿に呆れて、ミランと目を合わせ、

「また、おばあちゃんが変なことしてる。
 いい、ミラン、おばあちゃんの変なことに付き合っちゃだめよ。」

 まるで、わが子を諭すような言い方だ。

 肝心のミランが、珠理が言っていることの意味を分かっているかどうかは分からない。

 って、ミラン、うとうとと眠たそうにしている。


――はあ、つまんない!――

 こう思ってたら、急に疲れが出てきた。

 まあ、今日はほとんど紅白戦に明け暮れてたし。

 体力だけじゃなくて、集中力も使うから、頭も疲れた。

 肘掛けに右肘をつき、頬杖してたらまたうとうとしてきた。

 そのまま眠ってしまった。

「ベッドで寝なさい!」

 っと、将に起こされる前まで。






 
< 183 / 213 >

この作品をシェア

pagetop