〔完〕 うち、なでしこになるんだから
 ぴーぃ~♪

 前半終了を告げる長く鳴る笛の音は、何か物足りなく聞こえる。

 両チームの選手たちの顔は少し暗い。いや、選手によってはかなり暗い。

 珠理だって、例外じゃない。

 珠理は、コートから去る前に、一回立ち止まって空を見上げた。

 一点が遠い。

 サッカーはこんなことが起こっても、珍しくないスポーツである。
 そう分かってても、シュートを決めきれない虚しさが、ゴールキーパーにだってこみあげてくる。

 イライラが溜まった息をすべて吐き出してから、また歩き始めた。


 ハーフタイム中のロッカールーム。

 ここで、再度フォーメーションの確認をしたり、作戦を練り直したりする。
 監督から選手の意見を求められた際に、

「勝とう。勝とう。」

 と珠理は言ったが、返事がほとんど聞こえない。

 あまり攻撃に参加しないゴールキーパーには、この気持ちが分からないと思っているのか。

 とにかく、みんな元気がない。
 珠理その状況を見て、疎外感を感じた。

 状況はあまり変わらないまま、ロッカールームから出た。



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