〔完〕 うち、なでしこになるんだから
 今度はゴールを見つめる。

 軽く自分の頬を叩く。
 
「勝つぞ。」

「そうだな。」

 独り言のつもりが、いつの間にか珠理のそばにいた佳恵に聞かれて、応じられた。

 珠理は少し苦笑い。


 その間に、PKの先攻はドルフィンガールズと決まった。

 珠理にとって先攻、後攻はあまり関係ない。むしろ、シュートを止めることに集中している。

 集中力を高めていたら、

「円陣組もうか。
 監督も、コーチも一緒に・・・。」

 絆の一言で、チーム全員、監督、ゴールキーパーコーチが円陣を組む。

 監督やゴールキーパーコーチと円陣組むのは、珠理がこのチームに入ってから初めてだ。


「いくぞ~!」

『は~い。』

「城崎~ドルフィ~ン、今日も~。」

『頑張るぞ~、おー。』

 これで、勝とうと思う気持ちが湧いてきた。負けるという負の思いが一気に消えた。

 珠理たちはコートへまた戻る。


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