〔完〕 うち、なでしこになるんだから
「ジュジュ、今の惜しいシュートは忘れてくれ。」

 っていうことは、今のは珠理にボールに当たって、外した。

 あーあ、チャンスを無駄にした。

 なぜ決まらなかったのか。思えば思うほど、決められなくて申し訳ない気持ちで胸がいっぱいになる。

 水色が支配する空を見上げ、ため息をつく。


「珠理、大丈夫よ。
 落ち着いて対応すれば、PK止められるよ。」

 ゴールキーパーコーチの言葉で気付いた。

 そう、自分にはまだ重要な仕事が残されている。

 PK戦だ。

 PKはゴールを止められたら、かなりすごい。

 逆に、蹴るほうからすれば、得点のチャンス。

 でも、入って当たり前って言われるから、そもそも一人で蹴るから、プレッシャーに感じる選手もいる。

 
――一本でも、多く止める。
   シュート外したことを帳消しにするんだ。――

 さっきまではため息ついてたが、もうつかない。

 止めてやるんだ。


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