〔完〕 うち、なでしこになるんだから
 ぴぃ~♪

 満が蹴った。

 ゴールの柱の真ん中程の高さまでボールが上がる。

 相手のゴールキーパーは、満が蹴った方向とは逆の方向に倒れこむ。


 そのままゴールに吸い込まれた。

 満は小さくガッツポーズする。
 とりあえず、重圧から解放されたことを喜んでいる。
 だが、勝負はまだ始まったばかりだから、喜びを最小限に抑えている。

 満は喜びを表現してから、仲間のいる方へ向かった。
 それと入れ違いに、珠理がゴールに向かわねばならない。

 さあ、行くぞ!っと思ったら、

「ジュジュ、大丈夫。」

 珠理の隣にいる佳恵が、にっこり笑う。

「ジュジュさん、私たちが決めます。」

 隣の隣の未撫も。


――大丈夫、大丈夫。――

 駆け足でゴールへ向かう。

「ジュジュ、できるよ!」

 行く途中で、満が声かけてくれた。

「ナイスだったよ!」

 満をねぎらってから、またゴールへ向かって走り出した。




 
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