〔完〕 うち、なでしこになるんだから
「ミナ。やったね。」

 二人でハイタッチ。

「ジュジュさんと一緒でよかったです。」
「うちも、ミナと一緒でよかった。」

 一人で行くのは心細いからね。

 二人とも、体中から満足感であふれ出ている。

 そんな二人の様子を見て、

「なーに、二人とも喜んで。」

 梗子と、満と、すみれが寄って来る。

「ねえ、今からいうこと言って、いじめたり、怒ったりしないよね?」
「無い無い、絶対無い。」

 珠理は未撫と目を合わせ、こくりとうなずいてから、さっき監督に言われたことを言った。


「えぇ!すごいじゃん。」
「Congratulations!」
「さすが。
 この間、PK止めたからよ!」

 いつの間にかチーム全員集まった。

 そのせいで、珠理と未撫は肩身が狭く感じる。

 でも、それの倍以上にうれしく感じる。

 と同時に、自分が選ばれて良かったのかなと思う。

 本当は、誰もがU-14に選ばれたかったと思うと。



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