〔完〕 うち、なでしこになるんだから
 珠理、満、すみれは軽く準備体操をしている。
 それが終わると、

「やろうか。」

 満の掛け声で、すみれはボールを取りに行く。珠理はキーパーグローブをはめる。

 準備ができたところで、三人でパス練。

 ゴールキーパーだって、パスを出すからね。

 試合を想定して、満が後ろにいる珠理へバックパスを送る。

 珠理は、前にいるすみれにパスを送る。

 すみれがバックパスを送ったり、満のバックパスを受け、送り返したり。


 パス練している最中、続々とチームメートがやってくる。

『入れて。』

 っと言って、珠理たちの自主練に交じる者。

 他の者と一緒に自主練する者。

 一人で黙々と自主練する者。

 監督は舞台から、黙ってその様子を見てる。


「・・・・・・八、九、十。
 よし、シュート練やろう。」

 満の提案に、その場にいた者は全員うなずいた。

「よし、決定!」

 珠理はゴール前に立ち、他の者はパス練の時に使ってた、一つのボールを持ってゴールから離れる。


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