〔完〕 うち、なでしこになるんだから
「あっ、ジュジュ、キーパーは大丈夫?」

「そうだね、セービングやパンチングで処理しなきゃいけないようなシュートはやめてね。」

「分かった。じゃあ、軽く投げたり、蹴ったりするから。」
「了解。」

「強かったりしたら言ってね。」
「了解!」


 すみれはさらに三歩後ろに下がる。

 ボールは満が持っている。

 珠理はボールに合わせて位置を取っている。


 満がボールを地面に置き、すみれへパスを送った。

 すみれがミドルシュート。

 あまり勢いはない。

 スライドステップでシュートコースに入り、地面を転がるボールをすくうようにキャッチ。

「今のでいいよ。」

 そう言って、途中から珠理たちの自主練に入った、田中毬百(タナカマリモ)へボールを投げた。
 毬百はボールを受け取って、

「軽く二対二しよう。」

 すみれと満と珠理にアイコンタクトする。

「じゃあ、まり(毬百)とジュジュが守備ね。」

 満の提案に三人はうなずく。

「シュートは・・・。」
「わかってる。」

 満は珠理にうなずく。


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