〔完〕 うち、なでしこになるんだから
「お願いします。
 メニューにキーパー以外の数名を呼んで、実践練習をするように指示があります。
 誰を呼べばいいんですか。」

「おお、そうだった。ちょっと待ってて。」
「はい。」

 ゴールキーパー以外のメンバーは皆、三対三のパス回しをしている。
 三人組が一組余っているので、外された三人も一緒に練習している。

 監督は皆の様子をじっと見て、攻守交代の時に、

「みずき、満、未撫、こころ、実希、伊理安。来い。」
「はい。」

 呼ばれた六人は監督のもとへ。説明を聞き、珠理のあとについていく。


 満たちは各自ボールを持つ。

「じゃあ、はる(春世)からやって。
 六人は、ランダムに蹴ってください。あっ、ドリブルとか使っていいです。」

「はい。」

 春世は人工芝マットの上にのり、グローブの状態を確認する。そして、腰を落として即席ゴール前に構える。

 ゴールキーパーの三人以外の六人は、他のポジションの練習の邪魔にならないような位置に散らばっている。


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