〔完〕 うち、なでしこになるんだから
 おっと、白チームがボールを奪われて、取り返そうとしたら、サイドラインの外にボールが出た。
 赤チームのスローインだ。

 実希が投げた。

「ミッキー(実希)!」

 未撫は背中に絆を背負った状態で、ボールを受け取った。

 そのままドリブル。
 一気に加速する。その場にいた白チームは、誰も追いつけない。
 といっても、諦めたわけではない。必死に追いかける。
 赤チームも、未撫を助けようと走る。

 未撫がセンターラインを越えて、珠理と春世がいる方に来た。


――さすが、ミラノさん(南良能)の妹だ。――

 ちなみに、未撫と南良能は姉妹である。

 その話は置いといて、珠理はこのまま未撫の暴走を放っておけない。


――はるには悪いけど、いくしかないか。――

 珠理が走り出した。二・三歩走ったら、

「ジュジュさんいかないで!」

 あまりの声の大きさに驚いて、後ろに振り返る。

 春世は怒りたいと気持ちを、一生懸命抑えている顔をしている。
 同時に、珠理が振り返ってしまったことに慌てている。

 


 
< 74 / 213 >

この作品をシェア

pagetop