Wild Rock
「確かに、本来であればわたしたちの仕事なのですが、何せ三世界のバランスが崩れ始めていて、魔族達は魔王の増幅しつつある力のせいでこの人間界に来られるのですが、わたしたち天使はその力に圧倒され、力が激減しているんです」

「ちょ、ちょっと待ちなさいよ。大天使でさえ力が激減だなんて、どういうことよ?」

 あまりにも不可解な言葉に、ファブニルは口を挟んだ。

「わたしたちの力を滅する者が悪魔軍にいる…としか考えられません…」

 マリアに視線を移しながら言うと、吸い殻を地面に落としながら言った。

「マリア=アイアン=メイデン…か?」

 ミカエルは小さく頷き、ファブニルとフェンリルは驚いた。

「マリア=アイアン=メイデンですって!? あんなもの蘇らせてたの?!」

「なー。話がまったくわかんないんだけど、何だ? その~、メイデンって?」

 回転の弱いルーシュは、地面にあぐらをかいて困惑していた。

 
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