Wild Rock


 去っていくオーナーを見つめながら、そんなことを考えていた。

 すると横では、その女がクスクスと笑っていた。

「あんたも、オッドアイなんだな?」

「えぇ。あたし、初めてみたわ。同じ人」

 布に消毒液を含ませ、頬の傷をポンポンと叩きながら言うが、容赦なく痛い!

「いって! もうちょっと優しくできねえのかよ!」

「男が文句言わない泣き言わないの! タマ着いてんでしょ? 我慢しなさい」

 雰囲気のあるバーが、俺達の騒がしい声でだいなし。

 奥からこっちを覗くように見ていたオーナーに、俺達はビクついて静かになった。

 たまにぶちぶちと小声でケンカする。

 だけど、不思議と心は落ち着いていた。

 それは、俺と同じ瞳を持つ奴と会ったからなのか、この店の雰囲気が穏やかなせいなのかはわからない。

 だけど、産まれて初めて、心地好かった。


 今まで生きてきた中で、一番だ…。


 
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