クールな彼が好きすぎて困るんですが!!


「先輩彼氏は?」


「え?あー……先帰っちゃった」


「えっ……」



山田くんの表情が険しくなる。



「…一人で帰るんですか?」


「んー?んー、そうなっちゃうね」


「…危ないですよ?」


「大丈夫大丈夫!心配してくれてありがと♪」




伊吹先輩はそう笑い、山田くんの頭をポンポンてすると、あたし達の所に戻って来た。


その場で俯いて溜め息を吐き、髪の毛をクシャッてしてる山田くん。


伊吹先輩に触れられて照れてる山田くんに、胸が苦しくて張り裂けそうだなんて絶対に言ってやんない。



……泣いてなんか、やんない。


……苦しくなんか、ない。







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