Level 36.

「お待たせ」



 そう言って現れた柴田は、ジーンズに真っ白なコットンのシャツ
 そして綺麗なグリーンのスニーカー。


 仕事が終わるといつもくしゃっと髪を崩して
 コンタクトから眼鏡に替えていると知ったのは
 二人で食事に行くようになってからだ。


 初めて見た時は柴田と気付かずに駐車場でも無視していた。
 声を掛けられて初めて柴田だと認識した時には
 そのギャップに腰を抜かしそうな程驚き
 少し、ときめいた。



「さぁ、行こう。 店は予約してあるから」



 その声に慌てて車に乗り込んで違和感を覚える。

 ……あれ?

 横顔をちらっと盗み見しても、横顔は怒っている感じじゃない。


 取り敢えずほっとして
 今日の仕事について少し気になった事を話しているうちに
 10分程走ったところで車は停められた。



 バックにギアを入れて助手席に手を掛ける。

 そして、よくあるシチュエーション。


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