神様修行はじめます!

ふと目覚めて、あたしは先ず、見慣れない天上を目にした。


畳の上に敷かれたお布団の上で、一人で横になっている。

あれ? ここ、どこだっけ?


・・・あぁ。そうか。

やっぱり夢じゃなかったんだ。


分かりきっていたような、失望したような、複雑な感覚。



ずいぶん暗いな。もう夜なんだ。

体を起こしてキョロキョロと暗い室内を見渡す。



床の間の上の、質素な、とても上品な花器に一輪の花。


水墨画の掛け軸。


ずいぶんと年代物みたいな和箪笥。


文机、硯、筆。

和装の本が積みあがっている。



開かれた障子の向こうの縁側。

そこに絹糸が、ちょこんと座って夜の庭を眺めていた。


「・・・・・」

あたしは黙ってゴソゴソ布団から抜け出す。
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