神様修行はじめます!
「僕の生母は『氷血の一族』だった」


氷が透き通るかのように白く輝く刀身。

刀全体から立ち上る冷気の煙。


「冷気と氷を操る一族。この刀は、母の力を集めて作られた」


刀身に散る、赤い花。

それは狐面の血。

刃をつぅっと伝い、ポタポタと零れ落ちる。


「唯一の形見の品。生涯、使うことは無いと思っていたが」


ピクリとも動かない狐面。

声ひとつ上げずに。


逆に、淡々と語り続ける彼。

さらけ出された素顔。


強い決意の宿った目。

その意思を語る唇。

刀を握る手。

息づく胸。



「成す事のために、血に染めよう」



狐面の体が白く染まっていく。

ピシピシと音をたてて、霜が覆っていく。

全てが覆われる前に・・・

門川君は、グイッと刀を抜き取った。


「奥、方・・・さま・・・・・」


ぽつりと

たったひと言、そうつぶやいて・・・

狐面はドサリと地に崩れ落ちた。



彼はそれを確認して

無言で立ち上がる。



その姿・・・

限りなく美しかった。


< 425 / 495 >

この作品をシェア

pagetop