神様修行はじめます!
「けっこう女子に人気あるんだよ。アイツ」

「そうなんだ?」

「頭良いし、顔良いし、大人っぽくて上品だし。あんまり馴れ馴れしくないとこがまた、いいんだって」

「へ――。分かるような気がするな」


チラリと振り返って、アイツが歩いていった廊下を見る。

でも、もうすでに姿は見えなくなっていた。



門川 永久


かどかわ ながひさ、か・・・。


ふう~~ん・・・。



あたしはすぐに興味を失って、前を向いた。

「暑い暑い」を連発しながら。



その時、一瞬、廊下の向こうから冷たい風が吹いてきたような・・・

そんな気がして、また振り返る。


なんだろう? この冷気・・・?



でもやっぱりそれは気のせいで・・・

あたしの周囲には、嫌になるようなむせ返るような熱気だけ。



あたしはまた「暑い」を繰り返しながら

真美と一緒に教室に向かった。



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