GOLDMOON~美しき獣の赤い糸の花嫁~
俺と栞は小笠原の社用車で、吉原に向かった。



「桐生?桐生社長の親戚か?」



「従兄弟です…」


「そうか…」



「…私が前世…花魁だったコトと何か関連ありますか?」



「花魁?君は前世…花魁だったと言うのか?」


小笠原は瞳を円くして、栞を見つめる。



「はい」



「…ヤツがいればわかるのだが…今はこの世界に居なくてな。俺では連絡が取れない…まぁ、差し詰め…君と宇都宮社長は前世から縁で、再び転生して巡り合ったのかもしれない…二人の間にどう妖が絡むのかはこれから解明していこう」



俺と栞は前世から縁?



俺が愛染の求める三郎か?



俺は自分が三郎だったらいいと思う…


『俺を愛するな』と栞に言ったのに…俺が栞に惚れている…
< 105 / 264 >

この作品をシェア

pagetop