GOLDMOON~美しき獣の赤い糸の花嫁~
「・・・俺が杏里と一緒に貴方の元に行ったのが誤算でした…」




「…お前の働きあったから会社が大きくなった…俺一人では無理だった」

「・・・」


「…いつもは自信家で計算高いクセに…今のお前は変だ…どうしてだ?」



「貴方に慰めて欲しいからだよ。トーマ」



「・・・」



「…キスしてください…」

「お前は本当に俺がスキなんだな」


「はい…スキです…」

俺はトーマに顔を近づけた。

トーマは照れ臭いのか視線が宙を彷徨う。本当に可愛い人だ…


妻には悪いと思いながらもこの前世の関係は断ち切れない。彼が愛しくて愛しくて堪らない。

トーマは俺にぎこちないキスを落とした。俺は自ら舌を絡めて、トーマの口腔に睡眠薬入りのカプセルを押し込めた。



「洋…貴??」



即効性のある睡眠薬でトーマは眠りに落ちてしまった。



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